サーブの技術のイメージを伝える時に
「上から下に打て」
と教えるコーチと
「下から上に打て」
と教えるコーチの2種類がいます。
私は「上から下に打つべき」と考えている派です。。
もちろんイメージの話なので、どちらのイメージで打った方が打ちやすいかは教わる側の受け取り方や、コーチの伝え方で変わるのでどっちが正解、というのはないと思うのですが、「下から上に打つべき」派の代表的な謳い文句で次のような話があります。

図にするとこんな感じですね。
このことは私の愛読書「勝てる!理系なテニス 物理で証明!9割の人が間違えている”常識”」という本にも書いてあります。
因みに私は身長175cmくらいなのですが、ラケットをサービスの打点の高さに持っていくとスイートスポットまでの高さは地面から250cmくらいでした。サーブの時に軽くジャンプしますが、10cmくらいしか飛んでいないのでおそらく260cmが私の通常のサーブの打点の高さです。
260cmだと当然3mより低いので直線で打つとネットしてしまいます。
ここまで異論はありません。
問題は「よってサーブは下から上に打つべきだ」という結論です。
ここは残念ながらこの本で唯一同意できませんでした。 (この本では被験者が下から上に打つ感覚で打ったらうまくいった!とのことなのでこの被験者の方には下から上へのイメージがあっていたと思います。)
まず下から上か、上から下かを語る前にその中間の「地面と平行に打つ」とどうなるでしょうか?

こんな感じで飛んでいきます。
ただ、地球には重力がありますので、当然時間とともに落ちていきます。スピードが速ければ遠くまで飛びますし、ゆっくりなら手前に落ちます。(重力加速度と空気抵抗)

また同じスピードの場合はフラットに打った方が遠くまで飛び、トップスピンを多くかけると手前に落ちます。(マグヌス効果)

このことから地面と平行に打つと「80キロくらいで」、とか「このくらいスピンをかけて」打つとサービスボックスに入るなー、とあくまで感覚ですが理解できます。
では地面と平行より上、すなわち下から上に打つとどうなるでしょうか?
起こる現象は同じです。スピードが速ければ遠くまで、遅ければ手前ですが、発射角が上になった分より遠くに飛ぶようになります。

そうすると地面と平行の時に入っていた80キロのサーブは今までより飛んでしまうので、手前に落とすためにはスピードを落として50キロで打つか、よりスピンの量を増やすしかありません。
それに対して上から下に打つとどうでしょうか。

発射角が下がったので今まで飛びすぎていた120キロが入るようになりました。
このように上から下に打ってもネットより上を狙う直線であれば、ボールのスピードや回転を調整すればサービスボックスには入ります。むしろ下から上に打って速いサーブを入れるのはかなり無理があります。「直線で入らない=下から上に打て」ではちょっと短絡的かな、と思うところです。
ここまで書いておいてなんですが、私は高く弾ませたいスピンサーブの時だけは下から上のイメージで打っています。理由は高くから落とした方が高く跳ねるから(厳密にいうとバウンドの入射角が鈍角であるほど跳ねるから)。

下から上に打つイメージでも実際は上から下に打っている人もたくさんいますし、最終的には本人が納得できるイメージで打てればいいとは思います。
それではまた、良いテニスライフを。
「上から下に打て」
と教えるコーチと
「下から上に打て」
と教えるコーチの2種類がいます。
私は「上から下に打つべき」と考えている派です。。
もちろんイメージの話なので、どちらのイメージで打った方が打ちやすいかは教わる側の受け取り方や、コーチの伝え方で変わるのでどっちが正解、というのはないと思うのですが、「下から上に打つべき」派の代表的な謳い文句で次のような話があります。
ベースラインから相手コートのサービスラインまでの距離とネットから相手コートのサービスサービスラインまでの距離は比率にすると3:1の比率である。サーブを直線で打った場合、ネットの高さは約1mなので、打点の高さを3m以上にしなければ必ずネットしてしまう。よってサーブは下から上に打つべきだ。

図にするとこんな感じですね。
このことは私の愛読書「勝てる!理系なテニス 物理で証明!9割の人が間違えている”常識”」という本にも書いてあります。
因みに私は身長175cmくらいなのですが、ラケットをサービスの打点の高さに持っていくとスイートスポットまでの高さは地面から250cmくらいでした。サーブの時に軽くジャンプしますが、10cmくらいしか飛んでいないのでおそらく260cmが私の通常のサーブの打点の高さです。
260cmだと当然3mより低いので直線で打つとネットしてしまいます。
ここまで異論はありません。
問題は「よってサーブは下から上に打つべきだ」という結論です。
ここは残念ながらこの本で唯一同意できませんでした。 (この本では被験者が下から上に打つ感覚で打ったらうまくいった!とのことなのでこの被験者の方には下から上へのイメージがあっていたと思います。)
本当はどっちが正しいのか
まず下から上か、上から下かを語る前にその中間の「地面と平行に打つ」とどうなるでしょうか?

こんな感じで飛んでいきます。
ただ、地球には重力がありますので、当然時間とともに落ちていきます。スピードが速ければ遠くまで飛びますし、ゆっくりなら手前に落ちます。(重力加速度と空気抵抗)

また同じスピードの場合はフラットに打った方が遠くまで飛び、トップスピンを多くかけると手前に落ちます。(マグヌス効果)

このことから地面と平行に打つと「80キロくらいで」、とか「このくらいスピンをかけて」打つとサービスボックスに入るなー、とあくまで感覚ですが理解できます。
では地面と平行より上、すなわち下から上に打つとどうなるでしょうか?
起こる現象は同じです。スピードが速ければ遠くまで、遅ければ手前ですが、発射角が上になった分より遠くに飛ぶようになります。

そうすると地面と平行の時に入っていた80キロのサーブは今までより飛んでしまうので、手前に落とすためにはスピードを落として50キロで打つか、よりスピンの量を増やすしかありません。
それに対して上から下に打つとどうでしょうか。

発射角が下がったので今まで飛びすぎていた120キロが入るようになりました。
このように上から下に打ってもネットより上を狙う直線であれば、ボールのスピードや回転を調整すればサービスボックスには入ります。むしろ下から上に打って速いサーブを入れるのはかなり無理があります。「直線で入らない=下から上に打て」ではちょっと短絡的かな、と思うところです。
ここまで書いておいてなんですが、私は高く弾ませたいスピンサーブの時だけは下から上のイメージで打っています。理由は高くから落とした方が高く跳ねるから(厳密にいうとバウンドの入射角が鈍角であるほど跳ねるから)。

下から上に打つイメージでも実際は上から下に打っている人もたくさんいますし、最終的には本人が納得できるイメージで打てればいいとは思います。
それではまた、良いテニスライフを。