テニスのツボ

超理系な現役テニスコーチによるテニス情報ブログです。 「誰かに話したくなる」ようなテニス雑誌にも載っていないような 超マニアックなことをお伝えしていきます。 トッププロの情報や自身の選手活動も定期的に更新中です。

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今から2つの質問をします。
①あなたはストロークをミスなく打てますか?
強く振りすぎてアウトをしてしまったり、思ったような回転がかけられなかったり、フレームに当ててしまうことはありませんか?


あまり出来ない方、大体できるけど相手のボールが速かったり走りながら打ったりすると出来ない方などいらっしゃると思います。

では次の質問

②あなたはペットボトルの水をうまく飲むことが出来ますか?
キャップを逆に回してしまったり、強く握りすぎて中身が溢れ出てしまったり、口に入れようとしたら間違って鼻に入れてしまったりすることはありませんか?



ほとんどの方は出来ると思います。恐らくちょっとくらい蓋が固くても開けられるでしょうし、(マナーは別として)揺れる電車内でも出来るでしょう。目をつぶりながらでも出来ると思います。利き手と逆でも出来る方がほとんどでしょう。


ではなぜあなたはペットボトルの水はミスなく飲めるのにテニスではミスをしてしまうのでしょう。


それはストロークの動作における「再現性」が低いからです。



再現性(さいげんせい)とは、同一の特性が同一の手法により発現するとき、その結果の一致の近さのことである
※ウィキペディアより



簡単に言うと同じことをどのくらい同じようにできるか、ということ。


テニスの場合ボールの相手のボールの速さ、回転などを見て相手のポジションなどを確認してから自分の打つボールの速さ、回転などを決めるという複雑さからどうしても再現性を高めるのは難しいスポーツです。


では再現性を高めるためにはどうしたらいいのか。いくつかポイントをお教えいたします。


1.動かす場所を最小限にする

ストロークでは動作を組み合わせるほど複雑な動きになり再現性を高める(同じ動作をする)ことが難しくなります。
「体を回して」「ボールに踏み込みながら」「手首をパームアウトして」などいろいろ組み合わせるのは難しい技術なのです。


また、あるテニス関係の物理学者は直線運動に比べて回転運動は計算がとても難しいのでテニスの動作も出来るだけ直線運動にすることが望ましい、と述べています。

つまり「体を回して」より「ラケットを後ろから前に」の方が簡単。
「手首を返して」より「手首を固めて」の方が簡単、ということです。

ペットボトルの蓋も回転させないと開かないのですが、これが上に上げるだけ(直線運動)で開く構造だったら簡単に開きすぎて鞄の中でこぼれてしまうので、あえて難しい回転運動を要求しているのだと思います(多分)

テニスも簡単なボールはともかく厳しいボールが来た時には出来るだけシンプルな打ち方をするようにしましょう。



2.動きのことを意識しない

ペットボトルの蓋はどちらに回すと開きますか?時計回り?反時計回り?

正解は反時計回りですが、そのことを意識して
開けないのではないでしょうか。

なぜ意識しないで出来るかというと動きが体に身についているからです。
回す方向も、ペットボトルを潰さずに握る力加減も、何回も行ううちに体が慣れてきているのです。


テニスも同じで動作を繰り返し行うことで体が慣れて意識せずに同じ動作を出来るようになります。

ある程度出来てきたら打ち方のことは意識しないようにしましょう。



3.結果を確認する

皆さんは1球1球ボールがどこに落ちたか確認していますか?

これが一番出来ていない方が多いと思います。


人間は体に起きたことは基本的に脳にインプットされます。
今の力加減で打ったら、どのくらい飛んだか。
今のスイング方向で打ったらネットのどのくらいを通ったか。
全て脳は覚えているのです。
そしてあなたが意識しなくても潜在的な「もう一人の自分」がだんだん目標に近づけてくれるのです。

※このあたりはティモシー・ガルウェイ著のインナーテニスという本に詳しく書いてあるので興味があればお買い求め下さい。

しかしその軌道や着弾点を見ておかないと正しい記憶として脳に定着しません。

「ネット」や「アウト」や「ナイスショット」というのは線が引いてあったり、網が仕掛けられているから起こるただの結果です。

正確に脳に覚えさせるのに「ああ、飛びすぎた」「ネットした」だけを記憶するのはもったいないです。

正確に何センチまで意識せずとも「ラケット1本分サイドだった」「ボール2個分ネットだった」「ロールスロイス1台分アウトだった」くらいでいいのでボールの行方を見る癖をつけましょう。




まとめ
テニスは8割勝てる人でも100回のうち45回はミスするスポーツです。
ミスをすることは悪いことではありません。
そのミスをだんだん減らしていくために、また次に生かしていくためにこの3つのことを覚えておきましょう。



それではまた、よいテニスライフを。

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この本は元プロテニスプレーヤーの松岡修造選手の自伝です。

今は
「世界水泳の人」
「オリンピックの人」
なんか熱い人

ちょっとなら
「食いしん坊バンザイの人」

みたいなイメージですが、
世界ランキング最高46位
ウィンブルドンベスト8
と錦織圭選手が更新するまで近代テニス史上日本人で最高のテニスプレーヤーでした。


彼のテニス人生は一言で言うと



挫折と栄光




曽祖父が阪急東宝グループの創始者で父が東宝の社長、母が宝塚歌劇団のスターの超エリート一家に生まれた修造。
一緒にテニスを始めた兄は「君は才能あるね」と言われる一方、修造は「君はガッツがあっていいね」くらいにしか褒めらないほどテニスの才能はありませんでした。



その後慶應義塾大学付属高校に進学も
「もっとテニス漬けの生活がしたい」
とそのまま行けば慶應義塾大学に進み家業を継ぐ道を捨て、福岡のテニスの超名門で知られる柳川高校に転校します。

2年生で単、複、団体の高校3冠を達成したのち世界的名コーチのボブブレッドに見出され、両親の大反対にあいながら高校を中退し単身アメリカに。



親からの援助もなく食べるものも寝る場所もなく、「君はテニスが下手だから」と言われ練習相手すら見つからない状態でどうにかテニスに没頭する日々。



少しツアーでいい成績を出し始めた途端に訪れる相次ぐ怪我や治療困難な感染症による長期間のツアー離脱…




そんな修造がどのようにそれらの困難に向き合い、考え、乗り越えてきたのか。

そんな想いが存分に詰まった1冊になっています。


私を含め一般の愛好家から果ては錦織やジョコビッチに至るまでほぼ全てのテニス選手が何らかの困難や挫折を経験してきているはずです。
テニスに限らず仕事や学校でうまくいかないことは山ほどあるでしょう。


そんな時、どう考えどう向き合えばいいのかのヒントが詰まっているので興味がある方は是非読んでみることをお勧めいたします。



残念ながら現在廃盤になっているようなので、書店では買えません。Amazonで中古品が400円前後で取り扱いがあるようですのでAmazonやブックオフで見かけたら是非ご一読下さい。


それではまた、よいテニスライフを。




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