テニスのツボ

超理系な現役テニスコーチによるテニス情報ブログです。 「誰かに話したくなる」ようなテニス雑誌にも載っていないような 超マニアックなことをお伝えしていきます。 トッププロの情報や自身の選手活動も定期的に更新中です。

カテゴリ: プロ選手から学ぶ

シンシナティ始まりましたね。

記事を書いている段階では錦織圭VS西岡良仁の日本人対決を待っている段階です。
どちらが勝つか楽しみです(^^)

さて、全米オープン第4シードへの道シリーズも最終局面です。

前回の記事で今回のシンシナティで
錦織圭が優勝すること
ティエムが初戦敗退すること
が全米オープン第4シード(ランキング4位)の条件という風に書きました。

かなり厳しい条件ですが、ここにきて追い風が吹いてきました。


ティエム シンシナティ欠場

第4シードを争うティエムが発熱によりシンシナティの欠場を表明しました。
シンシナティで1勝すれば全米の第4シードが確定する状況にも関わらず欠場ですので、相当体調が悪いのでしょう。
錦織圭かズべレフが優勝しないだろう、という予測で休んだ可能性もあります。

とりあえず条件のティエムが初戦敗退は確定しました。
あとは錦織圭が優勝すれば、全米オープン第4シード確定です。



ボトムハーフが壊滅

スクリーンショット 2019-08-14 22.34.09

これがシード選手のみを書いたドローです。
(灰色は既に敗退、もしくは欠場)
トップハーフはフォニーニの欠場はありますが、ジョコビッチかフェデラーのどちらかが勝ち上がりそうな厳しいドロー。
一方ボトムハーフはティエムの他に先週のモントリオールで優勝したナダルも疲労により欠場。
さらにチリッチも初戦敗退とトップハーフに比べるとかなり楽なドローなのは間違いありません。

順当なら
2回戦  西岡良仁
3回戦  デミノー
準々決勝 ゴファン
準決勝  A.ズべレフ

の対戦順に、さらにシードダウンが起きればもっと楽な組み合わせになります。
本来なら準々決勝ナダル、準決勝ティエムだったと考えるとまたとないチャンスです。

条件まとめ


スクリーンショット 2019-08-14 22.48.21


錦織圭優勝
4位
錦織圭優勝以外
5位 ただし
・ズべレフより先に負ける(同じラウンドならok)
・チチパスが優勝し、錦織がベスト4以下
・メドベージェフが優勝し、錦織がベスト8以下

を満たすごとに1ランクダウン。

チチパスとメドベージェフが同時優勝することはないので大会終了後のランキングはほぼ5位か6位で確定。優勝したら4位となります。チチパス、メドベが活躍しても7位はキープ出来ます。

おっと、そろそろ錦織vs西岡が始まるのでこの辺で・・・



それではまた、よいテニスライフを。 

私はよくYouTubeでテニスの動画を見ているのですが、先日ATP公式チャンネルで錦織圭選手のスーパープレー10選的な動画がアップロードされていたので見たのですが、一風変わっていたのでご紹介いたします。




まず最初に紹介されているのはクラッチショット(股抜き)。
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ロブで抜かれたボールを追い越して足の間から打ったボールは

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高い軌道で相手の上を超え
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ベースライン付近に着弾。


次はフェデラーに回り込んで打ち込まれた強烈なリターンを
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ハーフボレーのように面を合わせ
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サイドライン一杯にコントロール。

他にも色々あったのですが、10選のうち8つまでがハーフボレーやドロップボレーなどタッチ系のショット。


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こんなボレーや

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こんなボレー


残りの2つはバックハンドの強烈なパッシングショットだったのですが2つとも
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片手打ちバックハンドのものでした笑


他の選手もスーパーショット10選みたいな動画があるのですが、ほとんどが追い込まれてから打った強烈なカウンターショットが中心でこんなにタッチ系ショットばかり取り上げられているのは錦織選手だけです。


つまり海外では私たちが思っているのと同じかそれ以上に「錦織は追い込まれてからのタッチや意外なプレーがすごい」と思われているということなのでしょう。

この記事執筆時は丁度錦織選手のウィンブルドン4回戦が始まる直前です。

期待して観戦したいと思います。


それではまた、よいテニスライフを。




ウィンブルドン見てますか?けいコーチです。

大坂なおみは残念ながら敗退、錦織圭はこの記事を書いている段階で4回戦勝利したところです。
誰が優勝するのか楽しみですね。


ウィンブルドンといえば「サーブ」が大きなウェイトを占めると言われるグラスコートでの大会ということで、今回はサービスキープについての考え方をデータを見ながら一緒に考えていけたら、と思います。


ところで錦織圭はよく

サーブが弱い

と言われることが多いです。


個人的にはあの身長でできる限りのことはやっていると思っているのですが、錦織圭のサービスゲームは本当のところどうなのか。
ビッグ3との差はなんなのか。
他のサーブが得意な選手はどんなサービスゲームを行っているのか。
列挙していきます。

まず、錦織のサービスデータです。
(データはATP公式から引っ張ってきたのですが、小数点以下の確率が出てこないため、サービスポイント率等は実際の値と若干の誤差がでることをご了承ください)

 スクリーンショット 2019-07-06 23.04.25

[表の見方]
1stサーブで得点した割合
1stサーブで失点した割合
2ndサーブで得点した割合
2ndサーブで失点した割合 

赤とオレンジを足したのがサーブで取れた得点です。
サービスポイント率は約64%、サービスキープ率は80%となっています。

これはツアーの中でどのくらい優れているかというと、過去52週でツアーでそれなりの試合数をこなしている79選手中32位と半分よりはいいくらいの数字と思って間違いではないと思います。(ちなみに日本の西岡は79選手中70位、ダニエル太郎は78位です)


ではビッグ3の数字と比べてみましょう。
スクリーンショット 2019-07-06 23.31.42
1st確率、1st得点率、2nd得点率の全てでわずかに上回り錦織よりも約3%多くポイントを取っています。錦織の上位互換といった性能です。

スクリーンショット 2019-07-06 23.36.20
ナダルの特徴は1stサーブの確率。2ndの得点率が高いのでもっと1stでポイントを取りに行ってもいいように思いますが、おそらくラリー戦に持ち込みたいという意図が大いに現れているデータだと思います。

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ビッグ3の中では1番キープ率の高いフェデラー。特筆すべきは1stの得点率。入る確率は錦織と同水準ですが、ポイント率が驚異的に高いので高いキープ率を維持しています。サービスゲームの戦術としてはナダルと対極にあると言えます。



次は現役でサーブが一番強い選手のデータです。

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ナダル並みの高確率で入れながらフェデラー以上にポイントする、1stだけで55%近くポイントする現役最高サーバーです。
なぜこんなにポイントが取れるのか。
ほぼ「身長が高いから」という理由で説明がついてしまいます。

イズナーは身長が208cmもあり、普通はフラットで狙うことが困難なワイドに軽々とフラットサーブでエースを量産します。特に高速で打ってもネットしにくいのは身長のアドバンテージが大きいです。


ここまで紹介した選手を含めサービスランキング32位の錦織より上の選手は、ほぼ錦織より高身長の選手です。
しかし1人だけ錦織と同じ身長でサービスランキング上位の選手がいます。

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彼も錦織と同じ178cmです。サービスのデータでわずかに違うのは
1st、2nd共に錦織より1%ポイント率が高い。
でも1stは錦織より1%入らない

これだけでサーブキープ率に2%もの差が出ているのです。

ちなみに実測値でなく理論値でも1.4%キープ率が変わります。

        コールシュライバー
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           錦織
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※右の数値が理論上キープできる確率です。

ポイント率を上げる、というのは先日の
ファーストサーブは確率と決定率のどちらが大事か
の記事でも触れましたが、決定率を上げるという意味ではコールシュライバーはかなりいいヒントになるのではないかと思います。



最後に決定率がよくてもゲームが取れない選手
 
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1stが入った時はナダル、ジョコビッチよりも決定力がありエースを量産しますが、いかんせん確率が悪すぎです。2ndも入れに行ったりダブルファーストを打ってみたり工夫はしていますが5割に満たないポイント率です。
ちなみにペールはサービスランキングで79選手中76位です。 



いかがだったでしょうか。プロだから打てるサーブ、もちろんそれは大きいのですが、ポイントを取る意識や考え方は皆さんのプレーにも必ず役に立つと思います。
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それではまた、よいテニスライフを。 

テニスはほぼ全ての大会がトーナメント戦で行われています。そのドローの決め方を実際に行われた2018年全仏オープンのドローセレモニーの様子を見ながら解説していきたいと思います。



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これが全仏オープンのドローセレモニー会場です。大勢の聴衆の前に大きなモニターがあり、そこに抽選結果が映し出されていきます。


男子シングルスのドローをこれから決めていくところです。
テニスではドローサイズの4分の1がシードと、 決まっています。
(例128ドロー→32シード、32ドロー→8シード )
男子シングルスは128ドローですので、シードは32枠です。
これによってシード同士が3回戦まで当たらないようになっています。

まずはシードを除いた残りの96人がどこに入るか決めていきます。
これはコンピューターで、無作為にどんどん選ばれていきます。


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画面左側の枠に3秒に1人くらいのペースでどんどんドローが決まっていきます。


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1、8、9、16、17・・・とシードが入る場所が虫食いになっているのがわかると思います。
右側の映像は過去の全仏オープンの選手やボールパーソンなどが流されていきます。




こうしてシード以外の96人の場所が決まりましたら、次にシードを決めます。

ここで1人の女性が壇上に上がりました。

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ガブリエラ・パパダキスさんといって、フランスのフィギュアスケートの選手だそうです。
平昌オリンピック銀メダリストらしいです。


ここからいよいよ抽選に入ります。


第1シードのナダルです。
第1シードは1の場所に入ることが決まっているので、抽選はしません。

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 同様に第2シードのズベレフも128に入ることが決まっているので抽選はしません。


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そして第3シードのチリッチですが、第3、4シードは33か96のどちらかに入るのでそれを抽選で決めます。

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まずパパダキスさんが机の上のカップの中にある抽選札を取り出し

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それを司会者に渡します。

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抽選札の上蓋をスライドすると数字が現れます。
金属が2枚重なっている、横にスライドするカスタネットのような形状と思っていただければいいかと思います。うまく説明できなくてすみません・・・
とにかく開くまでは番号が見えないようになっています。


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 今回は3を引いたので、33番に入ることが決まりました。

続いて第4シードのディミトロフ。これはもう96に入ることが決まりましたが、一応抽選札を引きます。


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ディミトロフ選手の位置が決まりました。

続いて5〜8シード、9〜12シード、13〜16シード、 17〜24シード、25〜32シードの順に位置を決定していきます。
5〜8シードは、1〜4シードと準々決勝まで当たらない位置に配置されます。

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選手の名前が読み上げられたら抽選札を引き、
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それを読み上げる、それの繰り返しです。



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これは第19シードの錦織のドローが決まった瞬間です。
この2018年大会は1回戦地元ワイルドカード選手、2回戦ペール、3回戦シモンと3連続で地元フランス選手との対戦だったので
錦織が不利になるようにドローを不正に操作してるんじゃないの?」 
みたいな声も一部にありましたが、見ての通り第3者が聴衆の面前で引いていますので、フランス勢3連発はただのドロー運です(笑)


これを32シードまで決めたらドロー表の完成です。

 いかがでしたでしょうか?テニスはドローによって勝敗が大きく変わるスポーツなので、このようにオープンに抽選をしています。(小さな大会でも最低選手代表の立会いの元抽選しています)
また、この全仏のように1つのセレモニーとしている大会もありますので、そんなところにも注目してみてくださいね。

ウィンブルドンのドローが発表となりました。

錦織圭は第8シード。

大坂なおみは第2シード。

他にも西岡良仁、予選から杉田祐一と内山靖崇など複数の日本人が出場します。 


 
これがそのドロー表です(3回戦から)
スクリーンショット 2019-06-28 23.47.37
 
これはドロー運的には

最悪のドローです 


(テニスの実力的なことではなく、あくまでドロー運の話です)


細かいドローの決め方はまた今度記述するとして、今回錦織が入った第8シードでは1回戦、2回戦はノーシード選手との対戦。3回戦から次のようになるようにドローイングされます。

[5〜8シード選手の組み合わせ]

3回戦 25〜32シードのどれか
4回戦 9〜12シードのどれか
準々決勝 1〜4シードのどれか
準決勝 準々が1、2シードなら3か4シード、3、4シードなら1、2シード
決勝

という風になるように決まっています。

要するに、3回戦では32シードとの対戦を引くのが一番よくて、25シードとの対戦が一番厳しい、というような見方をすると、今回の錦織がどのくらい最悪かわかります。

[錦織圭の組み合わせ] 

3回戦 25シード デミノー(最悪)
4回戦 9シード イズナー(最悪)
準々決勝 2シード フェデラー(たぶん最悪)
準決勝 3シード ナダル(最悪)
決勝
 
ほぼ全部最悪を引くという神ドローならぬ地獄ドローです。

3回戦、4回戦は共にビッグサーバーとの対戦となりそうです。
しかしイズナーは怪我がち、デミノーも安定感はないのでどうにかなるかも。


そして準々決勝。ちなみに第1シードのジョコビッチではないので、ランキング的には最悪ではありませんでしたが、

芝のフェデラー

の方が個人的には最悪かと。

そして準決勝は3シードの方を引く(しかもランキングはナダル2位)


完璧にフルコンボ決まりました。


ちなみに直近の四大大会ではことごとく準々決勝で厳しくなるドローを引き続けています。


全仏オープン    準々決勝

クレーのナダルに敗れベスト8(ナダルが優勝)

全豪オープン    準々決勝

ハードのジョコビッチに敗れベスト8(ジョコビッチが優勝)

全米オープン    準々決勝

錦織は怪我でランキングを落とし21シードとして迎えました3回戦で第4シードのズベレフのドローでしたが、幸運なことにその前にズベレフが敗れ、準々決勝で第7シードのチリッチに勝利し準決勝進出!しかしそこで同じくランキングを落としていた第6シードの
ハードのジョコビッチに敗れベスト4(ジョコビッチが優勝) 


という具合にことごとく優勝者に阻まれ続けています。


まぁランキングだけで勝負が決まるわけではないですし、フェデラーがもし早期敗退すればベスト4も可能性がないわけではないですからね。
 
もう日曜から本戦始まりますので1回戦から楽しんで観戦したいと思います。
(個人的には1回戦でコールシュライバーを引いたジョコビッチの試合が楽しみですw)


それではまた、よいテニスライフを。 

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