テニスのツボ

超理系な現役テニスコーチによるテニス情報ブログです。 「誰かに話したくなる」ようなテニス雑誌にも載っていないような 超マニアックなことをお伝えしていきます。 トッププロの情報や自身の選手活動も定期的に更新中です。

カテゴリ: テニスのルール

夏暑いですね!熱中症に気をつけてテニスをしましょう。
けいコーチです。

ブログ始めて1ヶ月半くらい経ちました。
忙しくて2日に1回くらいしか更新できていないですが、大目に見て下さい汗

私事ですがテニスルールブック買いました。
今までは昔買ったコートの友(旧ルールブック)に最新情報を確認しながら使っていたのですが、ブログも始めたし間違ったことは書けないな、と思いまして

こちらがコートの友
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2004年から15年も使っていたんだなあ・・・
表紙も中身もボロボロです。


そしてこちらがテニスルールブック
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今までより大きく見やすくなりました。 
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新ルールブックはB5サイズです。


テニスのルールはそこまで複雑ではないので試合を何回かやれば覚えられるのですが、大会に出たりする方は是非持っておくことをお勧めします。

「え、そんなに詳しく知らないくても困ったことないよ」

という方もいらっしゃるかと思うので、私のエピソードを1つ。

ジャッジが汚い相手との試合


かなり前の話ですがJOPの試合に出た時、対戦相手のジャッジがかなりひどくオンラインは全てアウトにされてしまいました。(JOPはほぼセルフジャッジです) 

皆さんならどうしますか?


ルールブックにはこうあります。

セルフジャッジの方法 
9)次の場合はレフェリーまたはロービングアンパイアに速やかに申し出る。
 ②相手のコール、フットフォールト等に疑問、不服のある時 
(ロービングアンパイア=3〜4面を見ているアシスタントレフェリー)


私は何回かのミスジャッジのあとロービングアンパイアを呼びました。



さあ、ロービングアンパイアになんて言うといいでしょうか?

今のボール絶対入ってたのに、こいつわざとイモジャッジするんだよ!

でしょうか。 

これよりもっと有効な解決方法があります。


トラブルが起こった時のレフェリーの仕事


レフェリー・アシスタントレフェリーの仕事
14)コール(判定)に関するトラブル(クレーコート以外)の対応は以下の通りとする。
 aその事実を見ていなかった場合、コール(判定)をした選手に対して、その判定は正確に行ったかどうか尋ねる。正確に判定したことが確認された場合はそのコールが成立する。



要するに相手がアウトだ、と主張したら覆らないということです。
しかし次の項にこうあります。

bその試合に主審をつけたほうが良いと判断した場合は、SCU又は全てのコールをする主審をつけることができる。適切な主審が見つからない場合は、レフェリー(アシスタントレフェリー)、ロービングアンパイアのいずれかがコートに入って、明らかに間違った判定をオーバールールする。その場合は1回目であっても失点する


このルールを知っていたので私は次のように主張しました。

疑わしい判定が多いので審判をつけて下さい

そうなんです。セルフジャッジでも審判を要請することはできるんです。

私の主張を聞いたロービングアンパイアの方はそのままSCUになってくれました。

SCU=ラインの判定以外をする審判。コール(判定)はしないがコールが間違ってる時にオーバールールすることができる
 
SCUがついてから相手は1回オーバールールされた後は疑わしいジャッジはなくなり、最終的にファイナルのタイブレークで私が勝ちました。


もしこのルールを知らなかったらずっと相手のジャッジにイライラしながらプレーして、最終的に負けていたでしょう。

こんなことは滅多にあることではないですが、覚えておいて損はないと思います。


これを見てルールブックを欲しいな、と思った方は日本テニス協会の公式サイトから購入できますので、一度見てみて下さい。



それではまた、良いテニスライフを。 

テニスのランキングって少しわかりづらいですよね。
今回は実際の選手のデータを使いながら、ランキングの決め方について解説します。
(今回は男子テニスの解説になります)


全ての選手に当てはまる基本ルール


大会に出場し勝つとラウンドに応じたポイントが手に入る。

グランドスラムは優勝で2000p、ATP250は優勝で250pと大会のグレードにより獲得ポイントは異なりますが、勝ち進んだ分だけポイントがもらえます。グランドスラムとマスターズを除き初戦で敗退すると獲得ポイントはありません。

獲得したポイントは1年間有効
ポイントを取った週から1年間経過するとポイントは無くなります。したがって、ランキングを維持するためには昨年と同じラウンドまで勝ち進まないといけません。

最大18大会のポイントの合計がランキングポイントになる

どれだけ多くの大会に出場してもランキングに反映されるのは最大18大会で、その他のポイントは切り捨てられます。(ツアーファイナルは18大会に入らないので、ツアーファイナルに出場した選手は最大19大会の合計がランキングポイントになります。)

グランドスラムとマスターズは強制加算

グランドスラムとマスターズの本戦に出場した場合、早期敗退してもそのポイントは強制加算になります。

以上が基本ルールになります。

コミットメントプレーヤーと出場義務

コミットメントプレーヤーとは前年末付けの世界ランキングで30位以内に入った選手のことです。この30位以内の選手には次の義務が与えられます。

グランドスラムとマスターズの出場義務
コミットメントプレーヤーはグランドスラム4大会及びモンテカルロを除くマスターズ8大会の全てに出場する義務が発生します。もし怪我などで出場できなかった場合強制的に0ポイント扱いになります。

ATP500の4大会の出場義務
コミットメントプレーヤーはATP500の11大会のうち4大会に出場する義務が発生します。(モンテカルロマスターズはATP500としてカウントされます。)また、4大会のうち1大会は全米の後の大会に出場する義務があります。これも出場できなかった分は0ポイント扱いになります。

つまりコミットメントプレーヤーはグランドスラムの4大会、マスターズの8大会、ATP500の4大会の合計16大会が出場義務でATP250やチャレンジャーでのポイントは2大会までしか反映されません(厳密には違うのですがほぼそう思って間違いないです)
一方30位に入れなかった選手はどの大会に出ても自由です。チャレンジャーでポイントを稼ぐのも大きな試合に挑戦するのも自由にできます。
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コミットメントプレーヤーには義務が目立ちますが、メリットもあります。

マスターズの皆勤ボーナス
皆勤賞のようなボーナスがあります。もらえる条件は
①その年のマスターズに7回以上出場
②その年の世界ランキングで12位以内

参加回数とランキングに応じて2000万円〜3億円のボーナスがもらえます。

ATP500大会に本戦から出場できる
どんなにランキングが落ちてもその年はATP500の大会には本戦から出場できます。

出場義務の免除規定


コミットメントプレーヤーでも以下の条件を満たすと出場義務が一部免除されます。

①満30歳以上
②12大会以上出場した年から12年経過
③通算600試合以上

全てその年の1月1日時点で達成している必要があります。
②についてはデビスカップの出場や2009年以前はチャレンジャーもカウントされるなど少しわかりにくいので、正確に調べるのは少し手間がかかります。

この3つの条件を達成した数に応じてマスターズの出場義務が減ります。1つ達成すると1大会、2つ達成すると2大会、3つ全て達成すると全てのマスターズの出場義務がなくなります。

ちなみに錦織圭選手は②の12年経過は達成しているので1大会免除されています。さらに今年通算600試合達成し、12月29日に30歳になるので来年にはマスターズの出場義務がなくなります。

いろいろな選手のランキングの紹介

文字で書くとわかりにくいので、実際の選手のデータを使ってまとめにしたいと思います。



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※IW=インディアンウェルズ

まずは日本のマクラクラン勉選手のダブルスのペアでお馴染みのストルフ選手。マスターズのマイアミでの10pは対象外のバーゼルの45pより低いですが、マスターズは強制加算なのでそちらが優先されています。もしマイアミに出ていなければ35p加算され、1300pだったことになります。





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続いてチャレンジャーで2週連続決勝進出と復調している杉田祐一選手。ランキングが低いので強制加算は3大会だけであとは全て加算されています。ポイントを取れていない大会も含めると1年間で29大会に出場しています。試合が世界中で行われていることを考えるとかなり精力的にツアーをまわっています。






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続いて錦織選手。コミットメントプレーヤーなので出場義務はかなり多くなっていますが、出場義務含め20大会に出場してポイントを獲得できなかった大会は0。大会数を絞って効率的にランキングを上げているように思います。




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ちょっと特殊なケースで同じくコミットメントプレーヤーのチチパス選手です。
ATP500は4大会の出場義務があるはずなのに3大会しかなく、ATP250の大会が3つもポイントに加算されていますね。
実はATP500は出場の義務はありますが、強制加算ではないんです。ポイント対象外のモンテカルロ、バーゼル、楽天、バルセロナはATP500で(モンテカルロは実際はマスターズ)うちバーゼルと楽天は全米以降の大会なので出場義務は満たしているのです。
もしこの4大会に出場していなければATP250から1つ除外されATP500に0ポイントが加算されます。ほんとにわかりにくい・・・

では最後はクイズ形式にします。
ダニエル・メドベージェフ選手の出場大会でどの18大会がポイントの対象になるのか当ててみて下さい。電卓をお持ちの方は実際に計算するとより理解が深まると思います。
ちなみにメドベージェフはコミットメントプレーヤーです。


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この下に答えを載せています。
















答え
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それではまた、よいテニスライフを。

追伸:モンテカルロは厳密にいうと強制加算大会ですが、本当にややこしくなってしまうのでとりあえず「モンテカルロはATP500扱い」ということにしました。
 

テニスはほぼ全ての大会がトーナメント戦で行われています。そのドローの決め方を実際に行われた2018年全仏オープンのドローセレモニーの様子を見ながら解説していきたいと思います。



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これが全仏オープンのドローセレモニー会場です。大勢の聴衆の前に大きなモニターがあり、そこに抽選結果が映し出されていきます。


男子シングルスのドローをこれから決めていくところです。
テニスではドローサイズの4分の1がシードと、 決まっています。
(例128ドロー→32シード、32ドロー→8シード )
男子シングルスは128ドローですので、シードは32枠です。
これによってシード同士が3回戦まで当たらないようになっています。

まずはシードを除いた残りの96人がどこに入るか決めていきます。
これはコンピューターで、無作為にどんどん選ばれていきます。


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画面左側の枠に3秒に1人くらいのペースでどんどんドローが決まっていきます。


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1、8、9、16、17・・・とシードが入る場所が虫食いになっているのがわかると思います。
右側の映像は過去の全仏オープンの選手やボールパーソンなどが流されていきます。




こうしてシード以外の96人の場所が決まりましたら、次にシードを決めます。

ここで1人の女性が壇上に上がりました。

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ガブリエラ・パパダキスさんといって、フランスのフィギュアスケートの選手だそうです。
平昌オリンピック銀メダリストらしいです。


ここからいよいよ抽選に入ります。


第1シードのナダルです。
第1シードは1の場所に入ることが決まっているので、抽選はしません。

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 同様に第2シードのズベレフも128に入ることが決まっているので抽選はしません。


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そして第3シードのチリッチですが、第3、4シードは33か96のどちらかに入るのでそれを抽選で決めます。

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まずパパダキスさんが机の上のカップの中にある抽選札を取り出し

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それを司会者に渡します。

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抽選札の上蓋をスライドすると数字が現れます。
金属が2枚重なっている、横にスライドするカスタネットのような形状と思っていただければいいかと思います。うまく説明できなくてすみません・・・
とにかく開くまでは番号が見えないようになっています。


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 今回は3を引いたので、33番に入ることが決まりました。

続いて第4シードのディミトロフ。これはもう96に入ることが決まりましたが、一応抽選札を引きます。


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ディミトロフ選手の位置が決まりました。

続いて5〜8シード、9〜12シード、13〜16シード、 17〜24シード、25〜32シードの順に位置を決定していきます。
5〜8シードは、1〜4シードと準々決勝まで当たらない位置に配置されます。

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選手の名前が読み上げられたら抽選札を引き、
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それを読み上げる、それの繰り返しです。



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これは第19シードの錦織のドローが決まった瞬間です。
この2018年大会は1回戦地元ワイルドカード選手、2回戦ペール、3回戦シモンと3連続で地元フランス選手との対戦だったので
錦織が不利になるようにドローを不正に操作してるんじゃないの?」 
みたいな声も一部にありましたが、見ての通り第3者が聴衆の面前で引いていますので、フランス勢3連発はただのドロー運です(笑)


これを32シードまで決めたらドロー表の完成です。

 いかがでしたでしょうか?テニスはドローによって勝敗が大きく変わるスポーツなので、このようにオープンに抽選をしています。(小さな大会でも最低選手代表の立会いの元抽選しています)
また、この全仏のように1つのセレモニーとしている大会もありますので、そんなところにも注目してみてくださいね。

ウィンブルドンのドローが発表となりました。

錦織圭は第8シード。

大坂なおみは第2シード。

他にも西岡良仁、予選から杉田祐一と内山靖崇など複数の日本人が出場します。 


 
これがそのドロー表です(3回戦から)
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これはドロー運的には

最悪のドローです 


(テニスの実力的なことではなく、あくまでドロー運の話です)


細かいドローの決め方はまた今度記述するとして、今回錦織が入った第8シードでは1回戦、2回戦はノーシード選手との対戦。3回戦から次のようになるようにドローイングされます。

[5〜8シード選手の組み合わせ]

3回戦 25〜32シードのどれか
4回戦 9〜12シードのどれか
準々決勝 1〜4シードのどれか
準決勝 準々が1、2シードなら3か4シード、3、4シードなら1、2シード
決勝

という風になるように決まっています。

要するに、3回戦では32シードとの対戦を引くのが一番よくて、25シードとの対戦が一番厳しい、というような見方をすると、今回の錦織がどのくらい最悪かわかります。

[錦織圭の組み合わせ] 

3回戦 25シード デミノー(最悪)
4回戦 9シード イズナー(最悪)
準々決勝 2シード フェデラー(たぶん最悪)
準決勝 3シード ナダル(最悪)
決勝
 
ほぼ全部最悪を引くという神ドローならぬ地獄ドローです。

3回戦、4回戦は共にビッグサーバーとの対戦となりそうです。
しかしイズナーは怪我がち、デミノーも安定感はないのでどうにかなるかも。


そして準々決勝。ちなみに第1シードのジョコビッチではないので、ランキング的には最悪ではありませんでしたが、

芝のフェデラー

の方が個人的には最悪かと。

そして準決勝は3シードの方を引く(しかもランキングはナダル2位)


完璧にフルコンボ決まりました。


ちなみに直近の四大大会ではことごとく準々決勝で厳しくなるドローを引き続けています。


全仏オープン    準々決勝

クレーのナダルに敗れベスト8(ナダルが優勝)

全豪オープン    準々決勝

ハードのジョコビッチに敗れベスト8(ジョコビッチが優勝)

全米オープン    準々決勝

錦織は怪我でランキングを落とし21シードとして迎えました3回戦で第4シードのズベレフのドローでしたが、幸運なことにその前にズベレフが敗れ、準々決勝で第7シードのチリッチに勝利し準決勝進出!しかしそこで同じくランキングを落としていた第6シードの
ハードのジョコビッチに敗れベスト4(ジョコビッチが優勝) 


という具合にことごとく優勝者に阻まれ続けています。


まぁランキングだけで勝負が決まるわけではないですし、フェデラーがもし早期敗退すればベスト4も可能性がないわけではないですからね。
 
もう日曜から本戦始まりますので1回戦から楽しんで観戦したいと思います。
(個人的には1回戦でコールシュライバーを引いたジョコビッチの試合が楽しみですw)


それではまた、よいテニスライフを。 

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