先日の記事で
100km/hで飛んでくるボールをボレーするとき、飛んでくるまでの時間は約0.5秒かかる。
人間はボールを見てからボレーの位置にラケットを移動するまで0.38秒かかる。
という話をしました。詳しくは下の記事をご覧ください。
今日はその話の続きです。
反応時間に関しては昔から様々な研究がされてきているのですが、その中でヒックの法則というのがあります。これは簡単に言うと
人間は選択肢が増えるほど意思決定に時間がかかる
というものです。
5つの選択肢の中から1つを選ぶよりも、2つの選択肢から1つを選ぶ方が早いということが実験によりわかったそうです。

これは数式によって導くことができます。
反応までの時間=x+y・log2(n+1)
x=意思決定を除く所要時間(ラケットを動かす時間の0.2秒)
y=意思決定にかかる時間 (脳に信号が行くまでの0.18秒)
次の表は選択肢の数とその反応までの時間です。
選択肢が1つだと0.38秒ですが、2つだと0.48秒、3つで0.56秒とどんどん増えていきます。


前衛のあなたにボールが飛んできたときに選択肢はいくつあるでしょう。
まず右利きなら体の右側に飛んできたらラケットの表で触りますね。
これがフォアボレーです。
逆に左側に飛んできたらラケットの裏で触りますね。
そうです。バックボレーです。
あともう一つあります(スマッシュじゃないですよ)
なんだと思いますか。
答えはアウトの判断。すなわち打たない 、という選択肢があります。
つまりボールが飛んできたらフォアか、バックか、アウトかの3つの判断をしているのです。
3つの選択肢から反応までの時間は上の表から0.56秒。
ボールが飛んでくるまでの時間は・・・約0.5秒。
あれ、間に合いませんね。
そうです。3つから判断していると間に合わないんです。
テニスコーチから、部活の顧問から、
「スタートが遅い!アウトか判断する前にまず動け!」
みたいなことを言われたことがある人も多いと思いますが、これは実は合理的なことなんです。
まず判断するのはフォアかバックかの2つ。
それからそのボールがアウトかどうか判断するようにします。
3つから判断だと0.56秒で間に合いませんが、2つなら0.48秒。間に合うのです。

例えば至近距離で相手のポーチボレーをキャッチする場面で、どこに飛んできてもバックで取る、と決め打ちするのは効果的です。
肩よりも低いボールは多少フォア側に飛んできてもバックで取ることができます。さらに肩よりも高く飛んでくる速いボレーはアウトになる確率が高いので、判断する余裕がないと思ったらバックでとりましょう。

それではまた、よいテニスライフを。
100km/hで飛んでくるボールをボレーするとき、飛んでくるまでの時間は約0.5秒かかる。
人間はボールを見てからボレーの位置にラケットを移動するまで0.38秒かかる。
という話をしました。詳しくは下の記事をご覧ください。
今日はその話の続きです。
選択が増えると反応は遅くなる
反応時間に関しては昔から様々な研究がされてきているのですが、その中でヒックの法則というのがあります。これは簡単に言うと
人間は選択肢が増えるほど意思決定に時間がかかる
というものです。
5つの選択肢の中から1つを選ぶよりも、2つの選択肢から1つを選ぶ方が早いということが実験によりわかったそうです。

公式
これは数式によって導くことができます。
反応までの時間=x+y・log2(n+1)
x=意思決定を除く所要時間(ラケットを動かす時間の0.2秒)
y=意思決定にかかる時間 (脳に信号が行くまでの0.18秒)
次の表は選択肢の数とその反応までの時間です。
選択肢が1つだと0.38秒ですが、2つだと0.48秒、3つで0.56秒とどんどん増えていきます。


フォアボレー、バックボレー、そして・・・
前衛のあなたにボールが飛んできたときに選択肢はいくつあるでしょう。
まず右利きなら体の右側に飛んできたらラケットの表で触りますね。
これがフォアボレーです。
逆に左側に飛んできたらラケットの裏で触りますね。
そうです。バックボレーです。
あともう一つあります(スマッシュじゃないですよ)
なんだと思いますか。
答えはアウトの判断。すなわち打たない 、という選択肢があります。
つまりボールが飛んできたらフォアか、バックか、アウトかの3つの判断をしているのです。
3つの選択肢から反応までの時間は上の表から0.56秒。
ボールが飛んでくるまでの時間は・・・約0.5秒。
あれ、間に合いませんね。
そうです。3つから判断していると間に合わないんです。
まず準備しましょう
テニスコーチから、部活の顧問から、
「スタートが遅い!アウトか判断する前にまず動け!」
みたいなことを言われたことがある人も多いと思いますが、これは実は合理的なことなんです。
まず判断するのはフォアかバックかの2つ。
それからそのボールがアウトかどうか判断するようにします。
3つから判断だと0.56秒で間に合いませんが、2つなら0.48秒。間に合うのです。

応用
例えば至近距離で相手のポーチボレーをキャッチする場面で、どこに飛んできてもバックで取る、と決め打ちするのは効果的です。
肩よりも低いボールは多少フォア側に飛んできてもバックで取ることができます。さらに肩よりも高く飛んでくる速いボレーはアウトになる確率が高いので、判断する余裕がないと思ったらバックでとりましょう。

それではまた、よいテニスライフを。