テニスにはサーフェースやボールなど大会によって色々な違いがありますが、最も大きな違いは
セット数やデュースの有無などの試合形式です。
今回は試合形式によってどのくらい勝率に差が出るのか、数学的に検証していきたいと思います。
テニスには実に様々な試合形式があります。
よく草トーなどで使われているのが
・1セットマッチ(デュース有り・6−6タイブレーク)
・1セットマッチ(ノーアド・6−6タイブレーク)
・1セットマッチ(ノーアド・5−5タイブレーク)
の3つではないでしょうか。
(4ゲーム先取も見たことがありますが、あまりメジャーじゃないので今回は除外します。)
インターハイ、インカレなどの全国大会やプロの試合ではそれに加えて
・1セットマッチ(デュース有り・8−8タイブレーク)
・3セットマッチ(デュース有り・6−6タイブレーク)
・3セットマッチ(ノーアド・6−6タイブレーク、ファイナルセット10ポイントタイブレーク)
・5セットマッチ (デュース有り・6−6タイブレーク)
さらにグランドスラムでは
・ファイナルセット6−6で10ポイントタイブレーク(全豪)
・ファイナルセットタイブレークなし(全仏)
・ファイナルセット12ー12タイブレーク(全英)
・ファイナルセット6−6タイブレーク(全米)
などこれほど試合形式が多いスポーツは他にないんじゃないかというくらい様々です。
確率というのは「行う回数が増えるほど確からしさを増す」という性質があります。
例えばあなたがじゃんけんの世界チャンピオンとじゃんけんをするとします。1回勝負のルールではひょっとするとあなたが勝つかもしれません。これが100回先に勝つまで続けるとおそらく世界チャンピオンが勝つでしょう。 (じゃんけんの世界チャンピオンがいるかどうかは知りませんが)
このように行う回数が増えれば増えるほど、弱い方が勝つ可能性は低くなるのです。
話を分かりやすくするためにここで強いA君とあまり強くないB君の試合がしたと仮定してみます。
A君の方がテニスがうまいのでA君がポイントを取る確率は60%、B君は40%ポイントを取れます。
A君が4ポイント連続で取る、A君が1ポイント落としてからゲームを取る、逆にB君がゲームを取るなど色々な可能性がありますが、これは試合の勝率に影響しません。
影響するのはデュース(40−40)になった時のみです。

ノーアドの試合ではAがポイントを取る確率は60%で、それがイコールゲームを取る確率になるので40−40からAがゲームを取る確率は60%です。
デュース有りの試合では2ポイント行いその結果をみます。
Aが2連取ならAのゲーム(36%)
Bが2連取ならBのゲーム(16%)
AとBが1ポイントずつならデュース(48%)
もしデュースになれば再び残った確率から同じようにAが2連取、Bが2連取、デュースのどれかになり、またデュースなら・・・と無限に繰り返していきます。

無限に繰り返すとどこを取っても得点率は36:16になっているので、分母の36+16でそれぞれ割るとデュースからAがゲームを取る確率は69.2%と分かります。
先ほどのA君とB君の試合をシュミレートしてみます。

オレンジの枠がA君の取るゲーム、青の枠がB君が取るゲームの確率です。
赤の枠の27.65%がデュース、ノーアドになる確率です。
およそ3〜4回に1度はデュースになります。
ノーアドの場合27.65%に先ほどの60%を掛けた16.59%

デュースの場合27.65%に先ほどの69.2%を掛けた
19.14%

という差が出ます。
結果、ゲーム取得率は


と同じ実力の選手の試合なのに2.5%も差が出てしまうのです。
ではノーアドとデュース有りで最終的な勝率にはどのくらいの差が出るのか、1セットマッチで計算します。
方法は似たような感じで

こんな感じです。ほぼ同じ方法で計算しているので、端折ります。
気になる結果ですが
A君が60%でポイントを取れる場合の勝率は
ノーアド・・・94.38%
デュース有り・・・96.34%
と約2%の差が出ました。
このことからA君にとってはデュース有りの方がより確実に勝てるし、B君にとってはノーアドの方がチャンスが広がる、ということがわかりますね。
セット数や8ゲーム先取の試合は次の記事で補足いたします。
それではまた、よいテニスライフを。
セット数やデュースの有無などの試合形式です。
今回は試合形式によってどのくらい勝率に差が出るのか、数学的に検証していきたいと思います。
試合形式の種類
テニスには実に様々な試合形式があります。
よく草トーなどで使われているのが
・1セットマッチ(デュース有り・6−6タイブレーク)
・1セットマッチ(ノーアド・6−6タイブレーク)
・1セットマッチ(ノーアド・5−5タイブレーク)
の3つではないでしょうか。
(4ゲーム先取も見たことがありますが、あまりメジャーじゃないので今回は除外します。)
インターハイ、インカレなどの全国大会やプロの試合ではそれに加えて
・1セットマッチ(デュース有り・8−8タイブレーク)
・3セットマッチ(デュース有り・6−6タイブレーク)
・3セットマッチ(ノーアド・6−6タイブレーク、ファイナルセット10ポイントタイブレーク)
・5セットマッチ (デュース有り・6−6タイブレーク)
さらにグランドスラムでは
・ファイナルセット6−6で10ポイントタイブレーク(全豪)
・ファイナルセットタイブレークなし(全仏)
・ファイナルセット12ー12タイブレーク(全英)
・ファイナルセット6−6タイブレーク(全米)
などこれほど試合形式が多いスポーツは他にないんじゃないかというくらい様々です。
なんで試合形式で差が出るの?
確率というのは「行う回数が増えるほど確からしさを増す」という性質があります。
例えばあなたがじゃんけんの世界チャンピオンとじゃんけんをするとします。1回勝負のルールではひょっとするとあなたが勝つかもしれません。これが100回先に勝つまで続けるとおそらく世界チャンピオンが勝つでしょう。 (じゃんけんの世界チャンピオンがいるかどうかは知りませんが)
このように行う回数が増えれば増えるほど、弱い方が勝つ可能性は低くなるのです。
デュース有りとノーアドの違い
話を分かりやすくするためにここで強いA君とあまり強くないB君の試合がしたと仮定してみます。
A君の方がテニスがうまいのでA君がポイントを取る確率は60%、B君は40%ポイントを取れます。
A君が4ポイント連続で取る、A君が1ポイント落としてからゲームを取る、逆にB君がゲームを取るなど色々な可能性がありますが、これは試合の勝率に影響しません。
影響するのはデュース(40−40)になった時のみです。

ノーアドの試合ではAがポイントを取る確率は60%で、それがイコールゲームを取る確率になるので40−40からAがゲームを取る確率は60%です。
デュース有りの試合では2ポイント行いその結果をみます。
Aが2連取ならAのゲーム(36%)
Bが2連取ならBのゲーム(16%)
AとBが1ポイントずつならデュース(48%)
もしデュースになれば再び残った確率から同じようにAが2連取、Bが2連取、デュースのどれかになり、またデュースなら・・・と無限に繰り返していきます。

無限に繰り返すとどこを取っても得点率は36:16になっているので、分母の36+16でそれぞれ割るとデュースからAがゲームを取る確率は69.2%と分かります。
ゲームを取る確率の違い
先ほどのA君とB君の試合をシュミレートしてみます。

オレンジの枠がA君の取るゲーム、青の枠がB君が取るゲームの確率です。
赤の枠の27.65%がデュース、ノーアドになる確率です。
およそ3〜4回に1度はデュースになります。
ノーアドの場合27.65%に先ほどの60%を掛けた16.59%

デュースの場合27.65%に先ほどの69.2%を掛けた
19.14%

という差が出ます。
結果、ゲーム取得率は


と同じ実力の選手の試合なのに2.5%も差が出てしまうのです。
勝率にどのくらいの差が出るのか
ではノーアドとデュース有りで最終的な勝率にはどのくらいの差が出るのか、1セットマッチで計算します。
方法は似たような感じで

こんな感じです。ほぼ同じ方法で計算しているので、端折ります。
気になる結果ですが
A君が60%でポイントを取れる場合の勝率は
ノーアド・・・94.38%
デュース有り・・・96.34%
と約2%の差が出ました。
このことからA君にとってはデュース有りの方がより確実に勝てるし、B君にとってはノーアドの方がチャンスが広がる、ということがわかりますね。
セット数や8ゲーム先取の試合は次の記事で補足いたします。
それではまた、よいテニスライフを。