テニスのツボ

超理系な現役テニスコーチによるテニス情報ブログです。 「誰かに話したくなる」ようなテニス雑誌にも載っていないような 超マニアックなことをお伝えしていきます。 トッププロの情報や自身の選手活動も定期的に更新中です。

タグ:ドロー

テニスはほぼ全ての大会がトーナメント戦で行われています。そのドローの決め方を実際に行われた2018年全仏オープンのドローセレモニーの様子を見ながら解説していきたいと思います。



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これが全仏オープンのドローセレモニー会場です。大勢の聴衆の前に大きなモニターがあり、そこに抽選結果が映し出されていきます。


男子シングルスのドローをこれから決めていくところです。
テニスではドローサイズの4分の1がシードと、 決まっています。
(例128ドロー→32シード、32ドロー→8シード )
男子シングルスは128ドローですので、シードは32枠です。
これによってシード同士が3回戦まで当たらないようになっています。

まずはシードを除いた残りの96人がどこに入るか決めていきます。
これはコンピューターで、無作為にどんどん選ばれていきます。


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画面左側の枠に3秒に1人くらいのペースでどんどんドローが決まっていきます。


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1、8、9、16、17・・・とシードが入る場所が虫食いになっているのがわかると思います。
右側の映像は過去の全仏オープンの選手やボールパーソンなどが流されていきます。




こうしてシード以外の96人の場所が決まりましたら、次にシードを決めます。

ここで1人の女性が壇上に上がりました。

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ガブリエラ・パパダキスさんといって、フランスのフィギュアスケートの選手だそうです。
平昌オリンピック銀メダリストらしいです。


ここからいよいよ抽選に入ります。


第1シードのナダルです。
第1シードは1の場所に入ることが決まっているので、抽選はしません。

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 同様に第2シードのズベレフも128に入ることが決まっているので抽選はしません。


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そして第3シードのチリッチですが、第3、4シードは33か96のどちらかに入るのでそれを抽選で決めます。

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まずパパダキスさんが机の上のカップの中にある抽選札を取り出し

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それを司会者に渡します。

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抽選札の上蓋をスライドすると数字が現れます。
金属が2枚重なっている、横にスライドするカスタネットのような形状と思っていただければいいかと思います。うまく説明できなくてすみません・・・
とにかく開くまでは番号が見えないようになっています。


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 今回は3を引いたので、33番に入ることが決まりました。

続いて第4シードのディミトロフ。これはもう96に入ることが決まりましたが、一応抽選札を引きます。


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ディミトロフ選手の位置が決まりました。

続いて5〜8シード、9〜12シード、13〜16シード、 17〜24シード、25〜32シードの順に位置を決定していきます。
5〜8シードは、1〜4シードと準々決勝まで当たらない位置に配置されます。

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選手の名前が読み上げられたら抽選札を引き、
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それを読み上げる、それの繰り返しです。



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これは第19シードの錦織のドローが決まった瞬間です。
この2018年大会は1回戦地元ワイルドカード選手、2回戦ペール、3回戦シモンと3連続で地元フランス選手との対戦だったので
錦織が不利になるようにドローを不正に操作してるんじゃないの?」 
みたいな声も一部にありましたが、見ての通り第3者が聴衆の面前で引いていますので、フランス勢3連発はただのドロー運です(笑)


これを32シードまで決めたらドロー表の完成です。

 いかがでしたでしょうか?テニスはドローによって勝敗が大きく変わるスポーツなので、このようにオープンに抽選をしています。(小さな大会でも最低選手代表の立会いの元抽選しています)
また、この全仏のように1つのセレモニーとしている大会もありますので、そんなところにも注目してみてくださいね。

ウィンブルドンのドローが発表となりました。

錦織圭は第8シード。

大坂なおみは第2シード。

他にも西岡良仁、予選から杉田祐一と内山靖崇など複数の日本人が出場します。 


 
これがそのドロー表です(3回戦から)
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これはドロー運的には

最悪のドローです 


(テニスの実力的なことではなく、あくまでドロー運の話です)


細かいドローの決め方はまた今度記述するとして、今回錦織が入った第8シードでは1回戦、2回戦はノーシード選手との対戦。3回戦から次のようになるようにドローイングされます。

[5〜8シード選手の組み合わせ]

3回戦 25〜32シードのどれか
4回戦 9〜12シードのどれか
準々決勝 1〜4シードのどれか
準決勝 準々が1、2シードなら3か4シード、3、4シードなら1、2シード
決勝

という風になるように決まっています。

要するに、3回戦では32シードとの対戦を引くのが一番よくて、25シードとの対戦が一番厳しい、というような見方をすると、今回の錦織がどのくらい最悪かわかります。

[錦織圭の組み合わせ] 

3回戦 25シード デミノー(最悪)
4回戦 9シード イズナー(最悪)
準々決勝 2シード フェデラー(たぶん最悪)
準決勝 3シード ナダル(最悪)
決勝
 
ほぼ全部最悪を引くという神ドローならぬ地獄ドローです。

3回戦、4回戦は共にビッグサーバーとの対戦となりそうです。
しかしイズナーは怪我がち、デミノーも安定感はないのでどうにかなるかも。


そして準々決勝。ちなみに第1シードのジョコビッチではないので、ランキング的には最悪ではありませんでしたが、

芝のフェデラー

の方が個人的には最悪かと。

そして準決勝は3シードの方を引く(しかもランキングはナダル2位)


完璧にフルコンボ決まりました。


ちなみに直近の四大大会ではことごとく準々決勝で厳しくなるドローを引き続けています。


全仏オープン    準々決勝

クレーのナダルに敗れベスト8(ナダルが優勝)

全豪オープン    準々決勝

ハードのジョコビッチに敗れベスト8(ジョコビッチが優勝)

全米オープン    準々決勝

錦織は怪我でランキングを落とし21シードとして迎えました3回戦で第4シードのズベレフのドローでしたが、幸運なことにその前にズベレフが敗れ、準々決勝で第7シードのチリッチに勝利し準決勝進出!しかしそこで同じくランキングを落としていた第6シードの
ハードのジョコビッチに敗れベスト4(ジョコビッチが優勝) 


という具合にことごとく優勝者に阻まれ続けています。


まぁランキングだけで勝負が決まるわけではないですし、フェデラーがもし早期敗退すればベスト4も可能性がないわけではないですからね。
 
もう日曜から本戦始まりますので1回戦から楽しんで観戦したいと思います。
(個人的には1回戦でコールシュライバーを引いたジョコビッチの試合が楽しみですw)


それではまた、よいテニスライフを。 

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