ウィンブルドン見てますか?けいコーチです。

大坂なおみは残念ながら敗退、錦織圭はこの記事を書いている段階で4回戦勝利したところです。
誰が優勝するのか楽しみですね。


ウィンブルドンといえば「サーブ」が大きなウェイトを占めると言われるグラスコートでの大会ということで、今回はサービスキープについての考え方をデータを見ながら一緒に考えていけたら、と思います。


ところで錦織圭はよく

サーブが弱い

と言われることが多いです。


個人的にはあの身長でできる限りのことはやっていると思っているのですが、錦織圭のサービスゲームは本当のところどうなのか。
ビッグ3との差はなんなのか。
他のサーブが得意な選手はどんなサービスゲームを行っているのか。
列挙していきます。

まず、錦織のサービスデータです。
(データはATP公式から引っ張ってきたのですが、小数点以下の確率が出てこないため、サービスポイント率等は実際の値と若干の誤差がでることをご了承ください)

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[表の見方]
1stサーブで得点した割合
1stサーブで失点した割合
2ndサーブで得点した割合
2ndサーブで失点した割合 

赤とオレンジを足したのがサーブで取れた得点です。
サービスポイント率は約64%、サービスキープ率は80%となっています。

これはツアーの中でどのくらい優れているかというと、過去52週でツアーでそれなりの試合数をこなしている79選手中32位と半分よりはいいくらいの数字と思って間違いではないと思います。(ちなみに日本の西岡は79選手中70位、ダニエル太郎は78位です)


ではビッグ3の数字と比べてみましょう。
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1st確率、1st得点率、2nd得点率の全てでわずかに上回り錦織よりも約3%多くポイントを取っています。錦織の上位互換といった性能です。

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ナダルの特徴は1stサーブの確率。2ndの得点率が高いのでもっと1stでポイントを取りに行ってもいいように思いますが、おそらくラリー戦に持ち込みたいという意図が大いに現れているデータだと思います。

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ビッグ3の中では1番キープ率の高いフェデラー。特筆すべきは1stの得点率。入る確率は錦織と同水準ですが、ポイント率が驚異的に高いので高いキープ率を維持しています。サービスゲームの戦術としてはナダルと対極にあると言えます。



次は現役でサーブが一番強い選手のデータです。

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ナダル並みの高確率で入れながらフェデラー以上にポイントする、1stだけで55%近くポイントする現役最高サーバーです。
なぜこんなにポイントが取れるのか。
ほぼ「身長が高いから」という理由で説明がついてしまいます。

イズナーは身長が208cmもあり、普通はフラットで狙うことが困難なワイドに軽々とフラットサーブでエースを量産します。特に高速で打ってもネットしにくいのは身長のアドバンテージが大きいです。


ここまで紹介した選手を含めサービスランキング32位の錦織より上の選手は、ほぼ錦織より高身長の選手です。
しかし1人だけ錦織と同じ身長でサービスランキング上位の選手がいます。

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彼も錦織と同じ178cmです。サービスのデータでわずかに違うのは
1st、2nd共に錦織より1%ポイント率が高い。
でも1stは錦織より1%入らない

これだけでサーブキープ率に2%もの差が出ているのです。

ちなみに実測値でなく理論値でも1.4%キープ率が変わります。

        コールシュライバー
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           錦織
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※右の数値が理論上キープできる確率です。

ポイント率を上げる、というのは先日の
ファーストサーブは確率と決定率のどちらが大事か
の記事でも触れましたが、決定率を上げるという意味ではコールシュライバーはかなりいいヒントになるのではないかと思います。



最後に決定率がよくてもゲームが取れない選手
 
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1stが入った時はナダル、ジョコビッチよりも決定力がありエースを量産しますが、いかんせん確率が悪すぎです。2ndも入れに行ったりダブルファーストを打ってみたり工夫はしていますが5割に満たないポイント率です。
ちなみにペールはサービスランキングで79選手中76位です。 



いかがだったでしょうか。プロだから打てるサーブ、もちろんそれは大きいのですが、ポイントを取る意識や考え方は皆さんのプレーにも必ず役に立つと思います。
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それではまた、よいテニスライフを。