この本は元プロテニスプレーヤーの松岡修造選手の自伝です。
今は
「世界水泳の人」
「オリンピックの人」
「なんか熱い人」
ちょっとなら
「食いしん坊バンザイの人」
みたいなイメージですが、
世界ランキング最高46位
ウィンブルドンベスト8
と錦織圭選手が更新するまで近代テニス史上日本人で最高のテニスプレーヤーでした。
彼のテニス人生は一言で言うと
挫折と栄光
曽祖父が阪急東宝グループの創始者で父が東宝の社長、母が宝塚歌劇団のスターの超エリート一家に生まれた修造。
一緒にテニスを始めた兄は「君は才能あるね」と言われる一方、修造は「君はガッツがあっていいね」くらいにしか褒めらないほどテニスの才能はありませんでした。
その後慶應義塾大学付属高校に進学も
「もっとテニス漬けの生活がしたい」
とそのまま行けば慶應義塾大学に進み家業を継ぐ道を捨て、福岡のテニスの超名門で知られる柳川高校に転校します。
2年生で単、複、団体の高校3冠を達成したのち世界的名コーチのボブブレッドに見出され、両親の大反対にあいながら高校を中退し単身アメリカに。
親からの援助もなく食べるものも寝る場所もなく、「君はテニスが下手だから」と言われ練習相手すら見つからない状態でどうにかテニスに没頭する日々。
少しツアーでいい成績を出し始めた途端に訪れる相次ぐ怪我や治療困難な感染症による長期間のツアー離脱…
そんな修造がどのようにそれらの困難に向き合い、考え、乗り越えてきたのか。
そんな想いが存分に詰まった1冊になっています。
私を含め一般の愛好家から果ては錦織やジョコビッチに至るまでほぼ全てのテニス選手が何らかの困難や挫折を経験してきているはずです。
テニスに限らず仕事や学校でうまくいかないことは山ほどあるでしょう。
そんな時、どう考えどう向き合えばいいのかのヒントが詰まっているので興味がある方は是非読んでみることをお勧めいたします。
残念ながら現在廃盤になっているようなので、書店では買えません。Amazonで中古品が400円前後で取り扱いがあるようですのでAmazonやブックオフで見かけたら是非ご一読下さい。
それではまた、よいテニスライフを。